「・・・知ってるんだな」

「知ってるも何も・・・。私も地球にいた人間よ。フルートだって・・・。でも、魔法なんて」

「何故かこの世界でフルートを吹くと魔法が使えたらしい。お前の住む世界では、ただ音楽を奏でるものだったんだろう?」

銀髪・・・ウェインは、開いていた本をぱたりと閉じる。

「もう、かれこれ300年も昔の話だ。伝記としてこうやって本にはなっているが、正直これが本当の話だったのか、定かではない。・・・でも、お前のその反応・・・。確かにこの本に書かれている一部は本当の事だったようだな」

「300ねん・・・」

300年前のこの世界に、私と同じ世界からやってきた人間がいたって事?
なんなの?そのタイムスリップ的な話。
それで、なんで私が巻き込まれちゃってるの・・・?