「――――おい」

シェルター内の廊下で、ジェイクは声を掛けられる。
ジェイクは歩くのを止め、後ろを振り返った。

「お前、リオンに何を言った?」

声を掛けたのはウェインだった。
その表情は、怒気を含んでいる。

「・・・特に何も」

少しの間を開けて、ジェイクはそう一言だけ発した。
その間に何かを感じたウェインは、一層怒気を深める。
苛立ちを隠しながらも、その声は穏やかなトーンではなかった。

「アイツを惑わすような事はやめろ。ただでさえリオンには辛い目に合わせているんだ、これ以上アイツの重荷になるような事は避けたい」

「・・・重荷、ですか」

ジェイクはゆっくりとウェインに近づいていく。
感情の分からない表情。
ただ、その言い知れぬ雰囲気に、ウェインは少したじろんだ。