何も語らない私に待てなくなったのか、銀髪の男が口を開いた。

「・・・お前は、どこの国の者だ?」

「・・・日本」

「ニホン?」

「そう、日本よ」

銀髪の男は怪訝な顔で私を見ていた。

お互い同じ気持ちなのだろう。
私だって、こんな世界もこんな人も見た事はない。

「逆に聞くわ。ここは何処?」

「どこ・・・って、ここはアストレア国。そんな事も知らないって」

「分かるわけない!!そんな国聞いたこともない!!」

思わず声を荒げてしまった。
落ち着いていたと思ったのに、また私の心はざわざわとし始める。


その時、あのリリスと呼ばれた女の子が手に古めかしい本を持ち、部屋へと入ってきた。

「ウェインさま、もしかするとなんですが・・・」

そう言って、その本を開き銀髪の男に見せた。
男は本を手に取り、開かれた部分を読む。

そして、一通り読み終わると私に向かって、こう話した。



「お前・・・もしかして「偉大なる魔法使いルリ様」と同じ世界からやってきた人間か・・・!?」