「何を見てるんだ?」


颯にそう聞かれ、あたしは慌ててページを変えた。


「つ、通販のパンフレットだよ」


そう答え、パンフレットをテーブルの上に置く。


開かれているページには最新ファッションが載っている。


「通販か。やめといた方がいいよ」


「え? なんで?」


「ずっと前、希彩が通販で商品を頼んだら、ものすごく粗悪なものが届いたんだ。それ以来、我が家では通販が禁止になったんだ」


そう言い、顔をゆがめる颯。


確かに粗悪なものを扱う悪質な所もある。


だけど、そんな所ばかりじゃないのに……。


あたしは監視カメラが載っていたページに折り目を付けて、パンフレットをゴミ箱へと捨てた。


「そうだね。あたしも失敗したら嫌だからやめとくよ」


「あぁ。純白は聞き分けのいい子だね」


そう言い、颯は満足そうにほほ笑むのだった。