ふと不安になり、そんな事を考える。


その時だった、颯が不意に立ち上がり思わず身を固くした。


「コップ持ってくるな」


「う、うん。お願い」


颯があたしの後ろを通り過ぎる瞬間、ゾクッと背筋が冷たくなる。


あんな映像を見てしまったから、少し敏感になっているようだ。


颯が部屋から出て行くと、あたしは肩の力を抜いた。


あたしは颯が望むのであれば殺されることだってできる。


だけど、颯があたしを殺すつもりならばもうとっくの前に手を出しているだろう。


あたしは体を反転させてクローゼットを見た。


どうして彼女たちは殺され、あたしは生きているんだろう。


颯にとって彼女たちとあたしの差はなんなんだろう?


「やっぱり、颯を止められるのはあたしだけなのかも……」


あたしはある計画を考え、そしてポツリと呟いたのだった。