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順調な片想いをしている杏里を見ていると、あたしの中には徐々に疑問が浮かんできていた。


あたしと颯はこのまま付き合い続けるべきなんだろうか?


けれど、颯の事を考えれば考えるほど別れると言う選択肢が遠のいて行く。


あたしは颯を手放したくない。


これから先も、ずっとだ。


その気持ちはきっと変わる事はないだろう。


でも、颯の気持ちがあたしから離れて行く事はあるかもしれない。


今だって颯の心には希彩ちゃんが大きく存在しているのだ。


あたしはいつ颯の心からはじき出されるかもわからない。


そう思うと、焦りを感じ始める。


颯とメールをしていても、デートをしていても、いつも機嫌を伺うようになってしまう。


気づかれは徐々に増して行き、気がつけばあたしから笑顔が少なくなっていっていた。


「最近疲れているみたいだけれど、大丈夫?」


その事に気がつくのは、颯ではなく、杏里だった。