怖い短編集

〈 どうして?

どうして浩史がここに? 〉








私の心臓は

早鐘を打ち始め、

私は、

冷静ではいられなかった。








〈 浩史、

あなた私を

恨んでいるの?








あなたを救わなかった私を

恨んでいるの? 〉








私のハンドルを握る手が

カタカタと震えていた。








いったい私は、

どうすればいいのだろう?








私がそう思ったとき、

浩史の血まみれの両腕が、

スッと私の方へ伸びてきた。