怖い短編集

もしもあのとき、

私が代行タクシーに

乗っていたら、

今頃私は、笑いながら

浩史と食事をしていたのかしら?









もしもあのとき、

私が車を運転しなかったら……。








もしもあのとき……。








後悔の念に苛まれながら、

私がふいに

バックミラーに目を向けたとき、

私はドキリとして

心臓が止まりそうだった。








バックミラーには、

この車にいるはずのない浩史が、

血まみれの姿で映っていた。