怖い短編集

「静香、

お前は昨日……、

飲み会に行っていた……」








浩史の声が、

低く、

不気味にリビングに響いた。








「お前は……、

自分の車に乗り……、

自分で車を運転した……」







浩史の顔が、

青白くなっていき、

浩史の額から

真っ赤な血が流れ出した。








私は、

恐ろしくて声も出せず、

ガタガタと体を震わせていた。








「静香……、

お前はどうして……、

オレを救わなかった?」








額から血を流している浩史が

そう言って、

血まみれの両腕を

私の方へ伸ばしてきたとき、

私は恐ろしくて、

ソファーから転がり落ち、

床を這って、

浩史から逃げ出した。








浩史から逃げなければ、

私は浩史に

殺されるような気がしていた。