「何? 何なのその話?

朱美は私を怖がらせようと

しているだけでしょ?」






喜美香はそう言って、

不安そうな顔をしたが、

朱美はさらに衝撃的な事実を

喜美香に伝えた。






「昨日、

死んでしまった美和子にも、

喜美香に送られてきたメールと

同じようなメールが

送られてきたの……。






美和子はそのメールに怯えてた。






きっと逆恨みなのに、

ずっとずっと、悩んでた……」






朱美はそう言ったあと、

心配そうに

喜美香の顔を見つめた。






「これは私の思い過ごしかも

しれないけれど、

何だかとても、

嫌な予感がするの……。






喜美香、

そのメールっておそらく、

命に関わる危険なメールよ。






決して、

軽く見ては駄目だと思う。






もしかしたら、喜美香、

あなたがこのメールの

二番目の犠牲者になるのかも

しれないから……」






朱美が喜美香にそう言ったとき、

喜美香のスマホから

ふいに着信音が流れ出した。






朱美は、

着信音が流れたスマホを

喜美香に渡すと、

喜美香はスマホの画面を見つめ、

恐怖に顔を歪めた。






「何なの?

どうして私に、

こんなイヤガラセの

メールが来るの?




こんなの逆恨みじゃない!






私は少しも悪くないのに……」






そう叫んだ喜美香の背後で、

久保志織の悪霊が、

恨めしそうに喜美香を見ていた。