裏アリ王子の彼女になりました(ニセの)

……ごはんなんて、喉を通らなかった。


琉生くんとふたりきりでも心拍数上がっちゃうのに、あんなキスまでされて……。


このドキドキ、どうしてくれるのよ……。


そのうち、お昼休み終了のチャイムが鳴って。


「食ったか?出るぞ」


パンの袋をクシャクシャ丸めて捨てた琉生くんは、手を伸ばしてきた。


……え?


「手」


「…………うん」


やっぱり手を繋がされて、廊下へ出ると。