オレが突き出した日本刀が、ライオンの喉に刺さった手応えがあった。




〈 よし、やった!

この日本刀をもっと深く突き刺すんだ。

舞子のために……。

オレのために…… 〉




でも次の瞬間、スローモーションの再生動画のように見えていた。ライオンの前足が、オレの頭を思いっきり叩きつけ、そしてその勢いのままライオンの鋭い爪が、オレの胸を切り裂いた。




オレはライオンに頭を叩かれた衝撃で、校庭の固い地面の上に仰向けに倒れた。




〈 チクショー……。

立たなくちゃ……。

オレは戦わなくちゃ…… 〉




ライオンの鋭い爪で切り裂かれた胸に、猛烈な痛みを感じる。




このまま倒れていたら、オレがライオンの群れに殺されるのは明らかだ。




〈 立たなくちゃ…… 〉




オレはそう思ってはいるものの、体は動かず、起き上がることはできない。




それどころか、オレの意識はしだいに遠のき、オレはやがて、眠るように、その場で意識を失った。