「なぁ、虎男。

毒マムシのヤツは、どうなったと思う?」




大長3メートルもあるライオンを毒マムシは、倒すことができただろうか?




〈 ライフル銃の弾が、ライオンの急所に当たれば、ライオンを倒せるのかもしれない。

でも、もしもライフル銃の弾が、急所からそれたなら…… 〉




15メートルという至近距離。




ライフル銃を撃つチャンスは一度しかない。




毒マムシは、勇敢だったのか?

それとも命知らずなだけだったのか?




「だけどさぁ、この学校の中には、何頭の猛獣がいるんだろう。

もしも、さっきのライオンみたいなヤツが、校内にうじゃうじゃいたら、オレたちは……」




学ちゃんがそう言ったとき、オレは下駄箱の影をゆっくりと歩く巨体を見つけた。




〈 トラだ! 〉




オレは下駄箱の影にいる危険な存在に息をのんだ。




〈 オレたちは、逃げるべきだろうか?

それとも…… 〉




オレはドキドキと心臓が大きな音を立てるのを感じながら、手にしたライフル銃を強く握りしめていた。