「でも、私は怖いわ。

私は武器を持っていても、きっと猛獣とは戦えない。

私はみんなと違って、臆病だから……。

私はみんなみたいに、強くないから……」




美愛がそう言って泣きそうな顔をしたとき、オレは美愛の肩をポンと叩いて、優しく美愛に言った。




「心配するなよ、子猫ちゃん。

子猫ちゃんは一人じゃないんだ。

オレたちは、仲間だから」




オレがそう言うと、舞子がオレの脛を蹴り上げて、オレはその痛さに、思わず飛び跳ねた。




「このスケベ虎。

どうして美愛にだけ優しいんだよ!

下心が丸見えだって言うの!」




「舞子はマジで怖いな。

本当に男勝りだよ」




「ですよね。

それに、舞子さんがアニキのことが好きなこと、みんなにバレバレですよね」




ハヤブサとチョロ助が、二人でコソコソ話していると、舞子が二人をギロリとにらんだ。




「あなたたち、私のこと、何か言った?」




「いえ、別に何も……」




ハヤブサとチョロ助は、声を合わせるようにそう言った。