「虎男、そんなに私の顔をじっと見んなよ。

恥ずかしくなっちまうだろ!」




オレは舞子のその言葉にハッとして、舞子から目をそらした。




「バカ言うなよ。

お前の顔をずっと見てるつもりなんてねぇよ」




「それなら良かった。

もしも虎男に好かれたら困るしね」




「誰がお前みたいに気の強い女を好きになるかよ!」



「そんなことないだろ?」




舞子はそう言って、目をそらしたオレの腕をグイッと引っ張った。




「これでも私は、女らしくなったんだよ。

何見てんだよ、バカ虎!」




オレはそんな話し方しかできない舞子に、苦笑いしていた。




舞子はやっぱり昔のままだって……。