「この話が本当ならスゲーよ。

国が夢を後押ししてくれるなら、どんな夢でも叶うぜ。

そしたらさ、今みてぇな退屈な毎日から抜け出せるよ」




「虎男って、本当に単純ね。

うちらの学校でやるイベントなんかで、未来が大きく変わるなんてあり得ないよ」




「舞子は夢がねぇなぁ。

舞子、想像してみろよ。

ある日、突然、自分の夢が叶うその瞬間をよ。

口が悪くて、性格のきつい不良の蜂須賀舞子がさぁ、もしかしたらアイドルスターになれるかもしれねぇんだぜ」




「虎男、お前、言い過ぎだろ。

ぶっ飛ばすぞ!」




舞子がそう言って、拳を握りしめたとき、オレは両手を前に出して、舞子をなだめた。