「舞子、もしかしたら、オレたち全員が夢を叶えられるんじゃねぇか?」




「そんなうまい話があるわけないだろ?

黙って話の続きを聞きなよ」




舞子はそう言って、オレのスネを蹴飛ばした。




舞子の蹴りは痛かったが、オレは顔をしかめて、声を出さずに痛みに耐えた。




「でも、何もしない人間が、夢を叶えられるというのは、間違いです。

夢というのは、将来なりたい理想の自分の姿。

そんなものが、コンビニで買い物するみたいに、簡単に手に入れられるはずはありません。

夢を叶えるために、みなさんには、リスクを負ってもらいます」




黒川がそう言ったとき、第一会議室の中がざわめき始めた。




やっぱり、うまい話にはトゲがある。