もう和君のことを話してしまおうと思ったけれど、私は先程の二人の言葉が引っかかった。 「どうして…?」 あの人はダメって…どういうことだろう? その真意が聞きたくて、敢えて幼なじみだとは言わずに聞く。 二人はもう一度顔を合わせた後、俯きながら口を開いた。 「和哉君は…誰とも付き合わねーんだ…」 ……え? 「私たち、和哉君とは中学から一緒だけど、多分一回も彼女作ったことないよ、あの人」 「なんかさー…ずっと好きな人がいるらしーんだよ」