【完】お前だけは無理。




「雪ちゃんのことで、苦しんでいるのは知っていたよ。和哉が好きな子のために、幸せを願って1人悩んでいるのに…父さんだけ幸せになるだなんて、できなかったんだ」

「別に、そんな…」

「お前には父親らしいこと一つしてやれなかったから、せめて、なにかしてやれないかと必死に考えた」



そして、あの手紙の真実を知る。



「考えても考えても…お前が幸せになるには、雪ちゃんしか浮かばなかった」


ーーあ、だから。


「だからね、雪ちゃんに託そうと思ったんだ」



和君パパは、和君の居場所を教えてくれたんだ。


「お前の高校を、雪ちゃんに教えて、もし彼女がまだ和哉を想ってくれているならば、お前を救ってくれるはずだと信じて」



そんな想いがあっただなんて初めて知って、胸の奥がじんと熱くなる。



「僕はどうしようもない父親だから、人に頼ることしか思い浮かばなかったんだ」

「……」

「情けない父親で、本当に申し訳ない…」



そんなこと、ないと思う。

だって和君パパは、一番まともな親だったはずだ。

私は詳しいことはわからないけど、そう思う。



「雪ちゃん」

「…はい」

「僕にとっては、大事な大事な…たった1人の家族なんだ。かけがえのない息子です」



そう言って、優しい優しい、笑顔を向けられる。



「和哉を、よろしくお願いします」



頭を下げた和君パパの姿は、父親そのもの。


和君は家族のことをよく思っていなかったから、ほんとうは心配だったんだ。

ちゃんと、愛されてるのかな…って。

でも、そんな心配をした自分を叩きたい。


こんなにも、素敵なお父さんがいるんだ。