驚いて和君の方に視線を戻せば、その顔が心なしかあかかった。
うそ…。
不謹慎かもしれないけど、う、嬉しい…。
「ほらほらお前ら、からかいすぎだ」
からかう二人を止めるように、北口先輩が言った。
「よかったな、和哉」
ほんとうに、嬉しそうな笑顔を和君に向けて。
和君は、ちょっと照れくさそう。
「はいはい、どーも。用が済んだならお前ら帰れって。俺は今から雪との時間に浸んの」
「うわ、ひっどーい！寂しいと思って、毎日が交代でお見舞い来てあげたのにー！」
「和哉君の人でなしー！」
「さすがに帰れは酷いな…」
和君の発言に口々に批判が殺到して、私はおかしくて笑ってしまう。
あーあ…ほんとうに、こんなにも素敵な友人に囲まれて。
愛しい人が、そばにいて…
「みんな、ありがとうっ…」
心からの感謝を伝えれば、優しい笑顔が返ってきた。
ねぇ和君。
…あなたのおかげで私は、今とても幸せです。
