「雪は、どうしても家族がほしい?」
家族は…一人じゃ…俺だけじゃ、ダメ?
「うん!素敵な旦那さんと、素敵な家族を作るの!子供は、男の子と女の子。兄妹がいないとかわいそうだから、2人がいい!私、頑張って素敵なお母さんになるの!」
ーーーそう、だよな。
「和、くん…?」
俺は今、どんな顔をしているだろうか。
「そっか。…叶うといいな、雪の夢」
「う、うん…」
きっと、情けない表情をしているに違いない。
「今日は天気も良くないし、暗いから早く帰りな?」
「うん…明日も来るね?」
雪はそう言って、笑顔を残して病室を出た。
誰よりも、人を愛せる女の子。
自分を犠牲にし続けてきた、
傷つけられてきた女の子。
そうだよな、雪はなによりも、家族に恵まれなかったんだ。
彼女には、幸せな家庭が必要なはずだ。
隣にいるのが俺じゃなくったって…
ーー雪なら、良いお母さんになれるはずだ。

