【完】お前だけは無理。



なんだか実感がわかなくて、ぼうっと窓の外を見る。



「和くーん?」



雪の声が聞こえて、ハッとした。



「ゆ、雪…来てたのか」



驚いた…。雪が来たことにも気づかないなんて、相当上の空だったんだろう。


焦りを気づかれないように、ニコッと微笑む。



「どうしたの和君?何かあった?」

「いや…何もないよ!」



誤魔化すようにして、もう一度笑って見せた。



「そういえば今日、検査の結果でたんだよね?どうだった?異常、なかった?」



ドキリと、心臓が跳ねる。



「……あぁ、もう明々後日には退院できるらしい」



…言え、ない。

子供ができない身体になったんだ、なんて…。




「そういえば今日、七夕だよ和君」

「…ああ、そうか」

「病院の一階にね、短冊がたくさん吊るしてあったよ!」



そう言って微笑む雪に、俺はふと思った。


七夕、短冊、願い、ごと…




「…雪は?いつもと同じ願い事?」



ねぇ、雪。



「うん!素敵な家族ができますようにって、書いたよ!」

「………そっか」



どうしても、その夢じゃないとダメか…?