「…はい。損傷が激しいので、治療しても治るとは…少し言えません。治る可能性がゼロというわけではないのですが…ほぼ、無いに近いでしょう」
「……」
「それ以外に身体に異常は見つからなかったので、もう退院出来ますよ」
置いてけぼりの俺に、医師はペラペラと説明口調で話す。
何も言えない俺に代わって、親父が医師に頭を下げた。
「わかりました。ありがとうございます」
「失礼します」
ぱたり、と、閉められた扉。
ーーーーーえ?
無精子症…?子供が、できない…?
ちょっと待ってくれ、何言ってんの、わかんないって。
適当なこと、言ってんじゃねぇよっ…。
「和哉…、可能性はゼロじゃ無いと言っていたし、きっと「ほぼ無いに近いって、言った」
慰めようとしているのだろうか。そんな親父の言葉を遮った。
「お、れ…子供、できないの?」
親父の顔が、悲痛に歪んだ。
まるでその質問の答えを表すかのような表情に、頭に強い衝撃が走る。
視界が揺れて、まるで焦点が合っていないようだった。
「ゆ、きを…お母さんにしてやるって、誓ったんだ…」
「…っ」
「お、お…おれ、おれ…っ」
ーーーどうしよう。

