【完】お前だけは無理。





入院生活も、今日で1週間になる。

朝から最終検査を受けていて、異常がなければ退院できるらしい。



身体ももう、痛いところはないし、すぐに退院出来るだろう。

呑気にそんなことを思っていると、親父と二人だった病室に医師が入ってくる。


その表情は、どこか暗かった。



「水谷さん。検査の結果を伝えに来ました。怪我も完治していますし、後遺症などの心配もないでしょう」



よかった…そう思ったのもつかの間、医師の話にはまだ続きがあった。



「ただ…骨髄を強く損傷していたので、先ほど検査をさせてもらったと思うのですが…」


……?

その先の言葉を言うことをためらった医師に、嫌な予感がした。



「無精子症の反応がでました」

「無精子、症…?」

「事故に巻き込まれた際、精巣を損傷してしまったようで、精巣へ血液を供給する血管が完全に破損したようです」

「…は?」



言っている意味がわからなくて、ぽかんとしたが、そんな俺とは裏腹、親父が青ざめた顔をしていた。

よく無いことなのだと、理解する。



「子供が、出来ないということですか?」



親父は、医師に向かってそう言った。





頭に、強い衝撃が走る。


ーー子供が、できない?