【完】お前だけは無理。



「…思い、出したの?」



目の前に映る和君は、私のよく知る和君だった。


彼は何も答えないけれど、確信する。

答えが、イエスであることを。



…な、んで…


どうして…思い出さなくても、いいのにっ…



和君は、私の手を身を乗り出して掴んだ。


そして、視界が一変する。



引き寄せられるようにベッドへと座らされ、次の瞬間には、目の前に和君の身体があった。



抱きしめられていたのだ、私は。



「…どうしたらいいの…?」



それは、和君が言った言葉。

私はもう、何が何だかこれっぽっちもわからなくて、ただ胸の中で彼の言葉を待った。



「お前に、そんなこと言われて、俺、俺は…」

「……」

「…忘れるわけ、ねーだろ…っ」




ーーーどうして。