もう、話はない。
これ以上、私が和君のそばにいる理由はないのだから。
「それじゃあ私、帰り…「待って!!!」
それなのに、どうしてだろうか。
「待ってッ…待、って、よ…」
震えた声で私を引き止めたのは、紛れもなく愛しい彼。
振り返れば、そこには今にも泣き出してしまいそうな、和君の姿があった。
「…お前、何、言ってんの…?」
喉の奥から振り絞ったような声色に、私は頭が真っ白になる。
ーーーえ?
今、お前って言った。
私のことを、お前って言った…?
「家族が、欲しいって…あれだけ、言ってたじゃないか…」
まるでそれは、昔の話をしているようで。
和君が忘れてしまったはずの、記憶のはずで。
「……え?」
「待て、よ…そんなこと、どうして今更…今更…っ」
「…和君?」
一つの疑問が浮かんだ。

