ふふっ、そんなこと、言わないけれど。 一度だけ、気づかれないように深呼吸をした。 「だから…今度は違う形で、彼を想おうって決めたんです」 和君を直接見つめるのなんて、これが最後の機会になるかもしれないと思うと、名残惜しくて視線を逸らせない。 目にいっぱい焼き付けたくて、視界いっぱいに和君を映した。 「彼には、幸せに…なってほしい。隣にいるのが私じゃなくても、彼には、笑っててほしい。彼が幸せでいれるなら、私だって幸せなはずです」 「………」 和君は、視線を逸らさずに私を見つめていた。