【完】お前だけは無理。




「…そうなんだ…」



その一言だけが、発せられる。

私は構わず、話を続けた。



「その人は私に、いろんなものをくれました。その人といるといつも幸せで、幸せで幸せで仕方なかったです。

…でも、いろいろあって、私はその人を酷く傷つけてしまった…その人から、いろんなものを奪った…。

愛想を尽かされても仕方ないようなことをしてしまって、彼は私から離れていきました。当たり前です」



『お前だけは無理』



そう、はっきりと断言して。


和君は、何も言わず、黙って私の話に耳を傾けてくれる。

それがなんだか嬉しくて、笑顔がこぼれた。


ねぇ、和君。


「どうしても好きで、どうしても彼の隣にいたくて、何もしないで後悔するくらいなら、当たって砕けようなんて思って、追いかけて…」



たくさんたくさん、ごめんなさいと伝えたい。

でもね、それ以上に。



数え切れないほど、ありがとうと言いたいよ。