【完】お前だけは無理。




「い、いやです…!行かないって決めたんで…「じゃあ、俺と付き合う?」



会話が、成り立たない。

何言っているのこの人は…!そう思ったけれど、冗談ではないらしい。

その瞳はまだ、真剣なそのものだったから。


ごくりと、息を飲む。



「和哉に会わないって決めたのはいいけど、だったらちゃんと、けじめつけなよ。最後に言ってやれ。好きだ!もう諦める!って」

「そんなこと…」

「それが出来ないなら、俺と付き合おう」



どうやら、本気らしい。

普段冗談ばかりいっておちゃらけている瀧川先輩が見せる、真剣な瞳。

私は何も言えなくて、ただその瞳の先に映る自分を見つめる。




「さ、ケジメをつけるか俺の彼女になるか、どっちがいい?」



この人は…もしかして…

…私の、背中を押そうとしてくれている?


わかってるんだ、きっと。

私が、後者を選ばないことを。



「瀧川先輩…強引すぎますよ…」



付き合えって言うのはきっと冗談。けれど、和君に伝えてこいという気持ちは、本物なはずだ。


わかっていた、自分でも。

こんなふうに一方的に断ち切って、いつか後悔するんだろうと。