【完】お前だけは無理。


和君をこんな目にあわせた張本人なんだっ…。



「私が連れ去られたりしなければ、和君はこんな目に遭わなかったのにっ…」



忘れられたって…仕方ないようなことを、私はしたんだ。



「全部全部、私が悪くて…っ」

「バカ!!!」



叫んだのは、瞳ちゃんだった。

私は驚いて、言葉が喉の奥に引っ込む。

瞳ちゃんは珍しく怒った表情をしていて、眉間にしわを寄せている。


瞳…ちゃん?



「私が私がって、全部自分のせいにするのはやめなさい!!」

「……」

「和君は、自分の意思で雪を助けたんでしょう?そんな彼の気持ちを、あんたは否定するの?」



和君の…気持ち…?



「誰が聞いたって、雪が悪いだなんて思わないわ。雪を責めようと思う人なんて、誰もいやしないのよ…」

「…っ、ひとみ、ちゃん…」

「大丈夫。和哉君は大丈夫よ。早く行ってあげましょう?ちゃんと、話しなさい」



「ね?」と首を傾げて、瞳ちゃんは眉の端を下げながら笑った。

私が…全部全部、悪い…。そう、思っていたから、とても、その言葉に救われたんだ。


他のみんなに視線を向ければ、同じように私へ微笑んでくれる。

みんなの優しさに、重くてたまらなかった心が少し、軽くなった気がした。


病院が近づくにつれ、心臓が脈を打つペースを加速させる。

昨日と同じ病室の前。

意を決して扉を開けると、そこには和君パパの姿だけがあった。


あれ…?和君は?

無人のベット。みんな思っていることは同じようで、きっと似たような表情をしていたのだろう。


和君パパは私たちの疑問を察したように、会釈した。