「おいおい…雪ちゃんにも何か言ってやれよ和哉…」


北口先輩の声は、焦りを含んでいた。

私は、最後の希望を込めて、和君を見つめる。


私の視線と、和君の視線が交わった。




「……ごめん、ほんとうに思い出せない…俺の知り合い?」


ーーあぁ、そうか。


これは天罰なんだ。

和君に、たくさん迷惑をかけてしまった、

たくさんの人を不幸にしてしまった、

私への、天罰。



青い顔をした、和君パパと北口先輩。

後から来た三人も、この異常な空気を察したかのように、誰もが言葉を失った。