「和哉…?何言ってるんだ、雪ちゃんだぞ?」


和君パパは、困ったように笑った。
その額には、冷や汗が流れている。



「雪、ちゃん…?…ごめん、どこかで会ったことあるのかな?」



喉から、声が出なかった。

和、君…?

…え……?



「おい和哉、お前冗談きついって」

「冗談?お前こそ何言ってるんだ涼介」



タタタタっ、という、足音が聞こえる。

病室に、遅れてきた楓ちゃん、瞳ちゃん、瀧川先輩が入ってきた。



「和哉君…!生きてた…!」

「ほんとう…よかった、心配したんだから!」

「お前…心臓止まったぜまじで」



三人は口々に何か言っているけれど、私は今それを理解できるほど冷静でない。



「笹川、小泉、真人も…ごめん、親父から全部聞いた。心配をかけてわるかった」



ど、う、して…?


ーー私以外は、わかるの?