久しぶりに会う、和君のお父さん。
まさか、こんなところで再会することになるだなんて…
こんな再会になるだなんて、思わなかった。
ゆっくりと、前を向くことを拒む顔を上げる。
視界に、息を切らし、汗を垂らして、真っ青な顔色をした和君パパが映った。
「和君、パパ…」
この光景は、前にも見たことがある。
青ざめながら、手術室の文字をただただ見つめる和君パパの姿。
過去の光景と重なって、私はきつくきつく、目を閉じた。
「私のせいで…また、和君を巻き込んでしまって…」
四年前と同じだ。
和君が私をかばって、生死の危機に立たされている。
「ごめん、なさい…ごめんなさい、ごめんなさいっ…」
ーー私が、和君に会いに来なければ。
同じ高校になんて追いかけなかったら、こんなことにはならなかった。
和君パパは、私の肩に手を置いた。
「雪ちゃん、謝らないで。警察から全部聞いたよ」
「…っ」
「君が気負うことは何もない。あの時も、今も、悪いのは雪ちゃんじゃないからね」
どうして、そんな優しい言葉を…
いっそ、私のせいだと罵倒してほしい。
和君パパの言葉が、今は残酷なほどに私の心臓へ突き刺さった。
もう、『ごめんなさい』という言葉しか出てこない。
「和哉は強い子だから、大丈夫だよ。あいつは雪ちゃんを残して死ぬような男じゃないだろう…?」
…っ。
もう何も言葉を返すことができなくて、私は情けなく涙をぽろぽろと流しながら首を縦に振った。