「雪…」
「ごめんなさい、私がっ…私のせいで…」
「バカ、何言ってんだよ…!雪が無事でよかった…!」
楓ちゃんは、そう言って私を抱きしめてくれた。
「雪との電話が切れた時、雪最後に先生って言ったでしょ…?」
電、話…?
そうだ。先生に誘拐される前、瞳ちゃんと電話をしていた。
「何かあったと思って、私とっさに和哉君に言いに言ったの。そしたら和哉君、学校抜け出して…」
ーー和、君…。
「学校でね、生徒二人が事件に巻き込まれたって、伝えられたの。名前は言われなかったけど、絶対に雪と和哉君だって思って。二人に何回電話しても、連絡つかないから、さっき、涼介が和哉君のお父さんに電話して…それで…」
「雪ちゃんッ…!!!」
懐かしい声がした。
途端に罪悪感が私の身体を支配して、その人の姿を見ることすら拒む。
「和哉はっ…!?」
呼吸が苦しくなって、私は思わず後ずさった。