世界が、崩れる音がした。 紅は、時が経つにつれ範囲を広げ、コンクリートを侵食していく。 「和、君…」 あなたさえいててくれればいいと、願ったばかりなのに。 「い、や…嘘…」 思い出した。 私は、神様に嫌われていることを。 私の大好きな人たちは、みんな、私の前からいなくなる。 「いやぁああ!!」 私の叫び声が、辺りに響く。 返ってきたのは、鳴り止まないパトカーの音だけだった。 今日は、雪が降っていた。