【完】お前だけは無理。



温かいものに、包まれるような感覚。



そのまま、私は地面に叩きつけられたのだろう。

強い衝撃が、身体に走った。


けれど、意識がある。

そして、柔らかいものが下にあった。



おかしい。下は、コンクリートだったはずだ。


まるで人肌のように温かいそれに、私は悪い予感がして、恐る恐る目を開けた。


そして、それは的中する。





「和、君…?」




私の下敷きになるようにして、頭から血を流した和君が倒れていた。