「ふふっ、もちろん!私も楓ちゃんと…んんっ!?」 それは、本当に突然だった。 背後から、何者かに口を押さえられたのだ。 ハンカチのようなものを口元と鼻に押し当てられて、後ろから身体を拘束される。 気分が悪くなるような臭いが身体中に駆け巡って、私はケータイを落とした。 頭が、ぼうっとする。 …な、に…? 『…雪?』 朦朧とする意識の中、落ちたケータイから聞こえた楓ちゃんの声。