それに、しても…
和君は、神咲高に入学したんだ。
都内でも、トップクラスの名門校。
私は、ふと思った。
「神咲…高」
行けない場所では、ない。
むしろ、今から勉強すれば、合格圏内のはずだ。
和君パパはもしかして…和君の居場所を、教えてくれようとした?
どうして、そんなことを?
疑問に思ったけれど、私は今、新しくできた和君との繋がりに、一筋の希望が射した。
この高校に行けば…和君と会えるんだ。
一年間、和君と同じ高校に通える。
まるで、ストーカーみたいだとも思った。気持ち悪るがられるかなとか、嫌がられるのは目に見えていたから。
それでも、それでも…
「会いたい…」
ーーもう、ただそれだけだった。
あれだけ拒絶されたけど、まだ、少しでも、少しでも希望があるなら…私は、和君を諦めたくない。
諦め、きれやしない…っ。
この時、私が選んだ選択は、ただしかったのだろうか?
…それは、今でもわからない。