【完】お前だけは無理。



あるのは、ただ孤独。だけだった。



そういえば…和君と出会う前も、孤独を感じていたなぁ。



あの時は、お父さんもお母さんもいたから、まだ今ほど孤独ではなかったけれど。



今は、もう生きる意味がわからないほどに、孤独な気がした。

…本当に、孤独だ。




手を鍵盤に添えて、親指でドの音を鳴らした。

その音は、ドの音ではなかった。

ピアノ…やっぱりもうボロボロか。


そう思いながら、私は和君が好きだった曲を鳴らす。


楽譜通りに弾いているのに、それはもう不快なほどに、歪な旋律だった。


このピアノも、このメロディーも、私みたいだ。