その日の帰り道、私はずっと、恋について考えていた。 何度も、何度も何度も何度も、 和君を忘れようと思った。 忘れようとして、忘れる努力もした。 けれど、今の私はどうだろう。 和君が、いなくなってもう2年以上が過ぎて… この気持ちは、少しも薄れてはくれなかった。 マンションにある、ピアノルームへと入る。 お母さんがいなくなって、ピアノ教室もお開きになって、あまり使われていないピアノ。 鍵盤も…そろそろ調整しなおさなきゃ、ならなくなりそうだ。