「親父の転勤で引っ越しが決まってさ、もうマンションの荷造りも親父がやってくれてんだ。多分親父が車で迎えに来てるから、俺そのまま引っ越し先行くし」 「……」 「やっとお前と離れられる。あーあ、せいせいするわほんと。大っ嫌いなお前と離れられるんだから」 目の前にいるのは、本当に和君なんだろうか? そう疑わずにはいられなかった。 和君ではないと、思いたかった。 目の前の人物を、ただただ見つめる。