私はなにがなんだかわからなくて、けれど一つだけ、わかったことがあった。
何か、とんでもなく悪いことが起きたのだと。
和君は先ほどから一言も話さず、ずっと下を向いているし、和君パパは握る手に異常なほど汗をかいている。
とある病室の前で、和君パパが止まった。
病室の前には、マスクをした先生らしき人が。
「ご親族の方ですか?」
先生のそんな質問に、和君パパは「娘さんです」と言った。
先生はなにも言わずに頭をゆっくりと下げ、病室の扉を開ける。
和君パパが、私に入りなさいと言うように頷いたので、私は言われるがまま中へ入った。
そこには、顔の上に白い布を置いて、ベッドに寝ている誰かと、おばあちゃんの姿があった。

