【完】お前だけは無理。



「凄い!94点じゃんか!」


「でも…3つも間違えたんだよ?」


「3つしか、だよ。雪は天才だね!」



再び私を撫でる手は、酷く温かい。


涙は止まるどころか勢いを増して、私の頬を濡らした。


和君だけが。和君だけが雪に優しい。

和君の隣だけが、私の安らげる場所だった。



「和君…うぅ…」


「泣かないで。雪のお母さんが雪を要らないって言うなら、俺が雪をもらうから」



そんなことを言いながら、和君は私をぎゅっと抱きしめる。

私は和君の服が濡れるのもおかまいなしに、わんわんと泣き止まない赤子のように泣いた。



「…あり、がとっ、和君っ…」



目の前に広がる、和君の笑顔。


私は子供ながらに、この人が大好きだと感じずにはいられなかった。