その優しさが嬉しくて、
わたしなんかに、お母さんにいらない子って言われる、お父さんには相手にしてもらえない、
そんなわたしなんかに、和君だけが『優しい』を向けてくれる。
「馬鹿な子は…要らないって…お母さんが…」
口から、ポロリポロリと情けない声が漏れた。
「雪は馬鹿なんかじゃないよ」
和君の言葉に、私は素直に頷くことができない。
だって、お母さんは雪のことを馬鹿だって、馬鹿な子だって言ったんだ。
お母さんがそういうってことは、雪はきっと馬鹿な子なんだ。
ぐちゃぐちゃになったテストを、和君の前に出す。
和君は一瞬不思議そうな顔を浮かべた後、その用紙を見つめて表情を明るくさせた。

