【完】お前だけは無理。


お母さんは、94点と書かれたテストをぐしゃぐしゃに丸めて、私の方に投げつけた。


頭にテストが当たる。紙だから、それほど痛くはない。

けれど、心臓が張り裂けそうなほどいたかった。



「馬鹿な子は要りません!!」



お母さんはそう言い捨てて、台所へ行ってしまった。


投げ捨てられたテストを拾って、こっそりと家を出る。


きっと今日は和君はいない。5年生は6時間授業だし、帰ってきていないはずだ。



それをわかりながら、ピアノルームに入った。


誰もいない部屋で、涙が止まらなくなる。



いりませんって…言われちゃった。


雪、頑張ったけど、頑張りが足りなかったのかな…?

もっともっと頑張らないと、お母さんに怒られちゃう…。


また、いらないって言われたくない…。


ゴシゴシと涙で濡れる頬を擦る。背後から、重たい扉が開く音が聞こえた。