【完】お前だけは無理。



私も人のことは言えないけど、こんな遅くまで何をしているんだろう。



「どうしてお家に帰らないの?」



私は彼の隣に座って、首を傾げた。

彼はバツが悪そうな顔をして、下を向いた。



「…家にいたくないから」



ポツリ、と、確かにそう呟いたのだ。



「…どーせ俺の気持ちなんて、誰にもわからない」



続けてそう言ってから、彼はソファから立ち上がる。

そして、この部屋から出て行こうと扉に向かって歩き出した。



「雪わかるよ」



彼が出て行ってしまう前に、伝えたかった。



「雪もね、お家にいるのちょっとしんどい、えへへ…」



私も、全く同じ気持ちなんだと。


同じ気持ちの人がいるってわかって、ちょっと嬉しくなったんだ、って。