必死に笑顔を作ろうとしても、口角が上がってくれない。
眉は垂れ下がり、下唇を噛む強さは増していく一方だった。
そんな顔したら、和君にめんどくさいって思われちゃうよ…!
笑顔笑顔…
『雪、どんな時も笑ってるのよ。雪の笑顔が好きだって言ってくれる人が、きっと現れるから』
どうして、今、お母さんの笑顔が浮かぶの?
ーーーーっ。
心が潰れてしまいそうだった。
私が壊してしまったものたちが、突如波のように押し寄せて、私を責め立てているようだった。
全部、私のせい。
私がいなければ、こんなことにはならなかった。
和君の…家族が壊れることは、なかったのに…っ。
「雪!お前風邪引いてるんだからこんな雨に濡れたらまたぶり返すだろッ…!」
しゃがみこむ私の肩に、和君が自分のジャケットをかけてくれる。
その優しさが今は鋭い矢のように心臓に突き刺さって、消えてしまいたくなった。
頭が、ぐらぐらする。
「ご、めんなさい…私、和君だと思って、和君が帰って来たと思って…ドア…開けちゃって…」
「…わかったから、とりあえず帰ろう」
「私、気づかれなかった…」
「…ッ」
「…お父さん、私のことわからなかった…」
「雪、大丈夫だから、今は「ねぇ、和君…」
「………ん?」
「幸せそう、だったよっ…?」
ゆっくりと、俯いていた顔を上げる。
ねぇ和君。私今、どんな顔してる…?

