【完】お前だけは無理。



和君ママの隣で、微笑むお父さんの笑顔が焼き付いて離れない。


まさか、こんなところで会うなんて…。


再婚、したって…そんなの、いつ…


どうして…和君の家に?


和君は、二人が再婚したことを知っていたの?


いつから?どうして、和君だけ…?




わからないことが多すぎて、一度にいろんな情報が入り頭が痛くなる。


一つ一つ理解していこうにも、私には事の真実が想像もつかなくて、考えること自体が無駄なのだと気付いた。


走ってきたからか、混乱しているからか、息が切れて立ち止まり、頭を抑えてその場にしゃがみ込む。



「雪ッ…!!」



騒がしい雨音の中、背後から鮮明に聞こえたのは和君の声だった。


名前…


こんな時ですら、名前で呼んでくれたことが嬉しかった。

けれど、振り返ることができない。


今一番、和君には会いたくなかったから。



い、や…嫌だ。今和君の顔なんて見れない…


完全に哀れだ。私は今、途轍もなく惨めったらしい表情をしているに違いない。


せめて泣くな、笑うんだ私。