【完】お前だけは無理。




この人はどうして、


いつも助けを求めた時に、来てくれるんだろう。



「なんで来てんだよ…!」



見たこともないような焦った表情の和君は、私を背中に隠し、二人にそう言い放った。



「ふふっ、焦っちゃって〜!彼女が出来たなら教えてくれればよかったのに」


「随分可愛い彼女だね、流石和哉君」



口調からして、からかうような二人。


和君が一体どんな顔をしているのかは、背中に隠されている私には見えないけれど…それでも…



「……お前ら、何、言ってんの…?」



震えているその声が、全てを物語っていた。



この状況の恐ろしさをわかっていないのは、どうやらこのお二人夫婦だけのようだ。



「そういえばお名前聞いてなかったわぁ」


「そうだね。和哉君、彼女のお名前は?」



「…本気で、言ってんのか…?」



ーーーーもうダメだと思った。


和君に、惨めな女だって思われたに違いない。