胸騒ぎがする。
それが気のせいではないと確信付けるように、窓一面に光が映った。
ワンテンポ遅れて、激しい雷音が耳に響く。
雷…和君、大丈夫かな?
あ、れ…?
この、湧き上がるような不安はなんだ。
何かが迫ってくるような、まるで全身が逃げろと叫んでいる。
可笑しい、どうしちゃったの。
胸騒ぎがおさまらない。
今にも……悪いことが、起きてしまいそうな予感がしたんだ。
和君…、早く和君に会いたい、なんだか凄く、堪らなく嫌な予感が私の頭を支配した。
そして、それは現実となる。
ーーーーーピンポーン。
静かな室内に鳴り響く、インターホンの機械音。
…あ、和君…!
きっと和君が帰って来たんだ…!
自分の家に帰るのに、どうしてインターホンを押す必要があるのか。そんな疑問も浮かぶ暇がないほど、一刻も早く、和君の顔が見たかった。
ただいまって言って、この胸騒ぎを、吹き飛ばして欲しかった。